更年期の身体的・精神的症状は治療によって緩和をサポートすることができます。
今回は、身体的にあらわれる更年期症状の治療法を2つご紹介します。
更年期症状にも個人差があるため、治療の際には医師の指示に従って、ご自身に合った治療を受けてくださいね。
女性ホルモンであるエストロゲンを必要最低量補う治療法です。
必要最低限量なので、性成熟期と同じレベルの量まで改善されたり完全に更年期の症状が改善される別れはありません。
HRTでは、以下の症状緩和が期待できます。
・ほてり、膣乾燥感、睡眠障害、関節痛などの更年期症状
・コラーゲン量の増加(皮膚萎縮予防)
・骨密度の増加
・血管壁を柔軟にする
・脂質代謝改善
・萎縮性膣炎・過活動膀胱・尿失禁の改善
また、老年期に起こる疾患の予防に繋がるともいわれています。
さまざまな症状緩和が期待される一方で、懸念されるリスクもあります。
・乳がんや子宮体がん
ごく稀に乳がんや子宮体がんのリスクがあります。
ただ、5年未満の治療でのリスク上昇はあまり見受けられず
5年上の治療でも、リスクの上昇はアルコール摂取・肥満・喫煙といった生活習慣関連因子によるリスク上昇と同等かそれ以下といわれています。
医師と相談し、定期的に乳房と子宮の検査を受けることが大切です。
東洋医学に基づき、体質や体型を診ることで、体質に合う薬を選ぶという方法です。
西洋薬に比べ、効果が出るまでに時間がかかる場合が多いといわれていますが、持病などでHRTが受けられないときには漢方治療がよく行われています。
漢方は、一般の婦人科医が症状に合わせて粉薬になった漢方薬を処方する場合と、漢方専門医にかかると生薬を煎じて飲むよう指示される場合があります。
一般の婦人科医が処方する漢方は、下記3つが用いられることが多いです。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
のぼせ、ほてりなどのホットフラッシュに効果があります。体力が中程度以下で疲れやすい方に適しているといわれています。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があるタイプの頭痛や肩こり、のぼせ(冷えのぼせも含む)、ほてりやイライラ感などの症状緩和をサポートします。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力虚弱のタイプに適しています。血のめぐりが悪く、冷えや貧血、しびれ、肩こり、むくみなどの症状緩和をサポートします。
漢方は副作用がないと思いがちですが、体質に合う薬を選ぶ方法をとる漢方は体質に合わない薬だと副作用が出ることがあります。
漢方薬を3種類以上飲んでいる方や、糖尿病でインスリン治療をしている方などは副作用がでやすいといわれています。
女性ホルモンのバランスを整えるとして、避妊や生理痛の緩和、肌荒れなどさまざまな目的で処方さる低用量ピル。
低用量ピルは更年期障害のような症状を緩和できることがありますが、更年期障害の治療目的で低用量ピルを使うことにはリスクがあります。
そのため、更年期の治療薬として低容量ピルは使えません。
ただ、プレ更年期といわれる30代後半にも更年期に似た症状は起こる可能性があり、そういった場合には低用量ピルを飲むことでこれらの不調が緩和されるといわれています。
注*
ピルは、服用のリスクとして、血栓があげられています。
40歳以降の方、喫煙者は服用が禁止されていたことも血栓が出来る
リスク増えることが要因です。
いかがでしたか?今回は、身体的にあわられる更年期の症状を緩和させる治療法をご紹介しました。
体質や症状は人それぞれです。
ご自身の体質や症状を医師と相談し、自分に合った治療法で更年期障害を少しでも緩和していきたいですね。