女性の身体について調べると、よく耳にする”女性ホルモン”。
ホルモンバランスが崩れると、自律神経の乱れが。なんてよく聞きますが、
ホルモンと身体の関係って、実は知っているようで知らないかもしれません。
今回は、女性ホルモンについて説明していきます。

1、女性ホルモンとは？

そもそも”ホルモン”とは、インスリンやアドレナリンもホルモンに分類されることからもわかるように、体のさまざまな働きを調整するという役割があります。”成長ホルモン”と聞くとイメージがつきやすいかもしれません。
消化や代謝などにもかかわるホルモンは、健康な身体の維持に欠かせないので、ホルモンのバランスが崩れてしまうと身体に影響を及ぼしてしまうのです。

女性ホルモンは、女性の卵巣でつくられるホルモン。
女性としての身体作りに欠かせない女性ホルモンですが、実は２種類あるんです。下記で１つずづ説明していきます。

2-1,エストロゲン

卵巣ホルモンであるエストロゲンには、大きく分けて２つの働きがあります。

・女性らしい身体を作る働き
例えば、思春期に乳房が大きくなったり、丸みを帯びた女性らしい体形になっていったりするのも、エストロゲンのはたらきによるものです。
さらに、エストロゲンは人間としての繁殖機能にも大きく影響しています。
子宮に作用して子宮内膜を繁殖させることで、精子が子宮内に入りやすくなり、子供を妊娠しやすい状態にします。

・健康な身体を維持するための働き
骨密度を保ったり、血管を強くするはたらきがあります。
健康な身体を保つためのホルモンバランスが崩れることで、骨密度が少なくなり骨折をしやすくなる、
血管が弱まることで、動脈硬化を引き起こす可能性もあるといわれています。

2-2，プロゲステロン

黄体ホルモンであるプロゲステロンも卵巣でつくられますが、エストロゲンとは異なるはたらきをします。
「妊娠を助けるホルモン」ともいわれるプロゲステロンは、エストロゲンの働きによって、繁殖した子宮内膜をさらに妊娠しやすい状態にします。

・基礎体温を上げる
プロゲステロンには体温を高める作用があり、受精や着床がしやすくなる環境をつくります。基礎体温が高温期に入るのは、プロゲステロンが分泌されている証拠。
プロゲステロンが正常に分泌されない場合、基礎体温が上がらず、常に低温期のままになり、受精や着床がしずらくなってしまいます。

・子宮内膜の維持
プロゲステロンには、排卵後に子宮内膜やその周辺の血流量を上げるはたらきがあります。
子宮内膜や周辺の血行を良くすることで、子宮内膜に十分な栄養をいきわたらせ、子宮内膜の状態を維持します。

・月経前症候群（PMS）に影響
月経前にたくさん生成されるプロゲステロンは、月経前3〜10日間の黄体期によくみられる月経前症候群（PMS）と大きくかかわります。
体がむくみやすさ、食欲の増進、異常に眠くなるといったPMSは、プロゲステロンのはたらきによるものです。
ときに困った影響を及ばすプロゲステロンですが、これらの影響をなくすことはできないので、うまく付き合うしかありません。
また、健康的な体を作るために欠かせない女性ホルモンを分泌しているのは月経が正常に行われているからなのです。

３，女性ホルモンと更年期

女性ホルモンは一生分泌されるのですが、その量は一定ではありません。
初潮がくる10代が増加し始め、2~30代で最も安定する成熟期といわれます。
閉経前後の更年期を迎えるタイミングで急激に女性ホルモンが減少することで、その変化に身体や心がうまくついていけずに、身体に不調が現れやすくなるのです。

４，おわりに

いかがでしたか？今回は、女性ホルモンについて説明していきました。
妊娠をはじめとする女性らしい身体作りと健康に大きくかかわる女性ホルモン。
ホルモンのはたらきとその変化を知ることは、これからも付き合い続ける自分の身体を知ることにも繋がるのです。